2023.11. 5 / ガーデニング(GARDENING)草花(FLOWER & PLANTS)
今、秋真っ只中ですね。(11月だというのに、気温が高め...、ですが)
これから冬で、庭が一休みできる私が一年で最も好きな季節でもあります。
(写真は中之条ガーデンズスパイラルガーデン)
先日の中之条ガーデンズにて。秋のこれは曇り空でも、冷涼な光線を受けて
スティパ・テヌイシマ にガイラルディア`グレープセンセーション`
まん丸のシードヘッドで、 私はこんな風景が大好きです。
これがみたくて、こうした庭を設計していますが、なかなか一般的なウケの点では
難しいので、ダリアをたくさん植えてみたりしています。
自分の庭ではなく、公共ガーデンの植栽デザインを考える時、特に春はどうしても集客率やその嗜好を大切に、見に来て下さった方が楽しめるその満足度を考えて、少しでもたくさんの花が咲くように設計をしていますが、一年を通して、やはり花が咲いていないと「花が咲いていない」といわれることになり...
見学に来てくださるお客様の反応として、花が咲いていない=興味がない。
となる傾向についてはいまだに葛藤があります。もちろん、桜の季節のように一斉に咲き乱れる自然の瞬間は素晴らしい!でも一年草の花がドッと咲いているのは...。
人工的にたくさん咲いている景色は苦手です。.......実は。
自然ななかで、そっと咲いているのが好き。
肥料や薬散でたっぷりと咲かせている雰囲気が最近ますますダメ。困ったな。とも思います。
20世紀の園芸はそういう面があったと思いますが、今の時代は徐々にそういった
庭も、「大量消費の傾向」からは距離をおくべきで、サステナブルな庭のあり方は、持続可能な未来にも良いはずなのです。
「自然に逆らってガーデニングをすることにどんな意味があるのだろう」とはスー・スチュワート・スミスさんの言葉です。まさにそうだと思うし、 自然に咲く姿を見守るように、植物たちを助けていくのが本来のガーデニングと思っていますが。
最終的には自分が見たい景色を作っているように思います。結果的には自分の世界観ということになるのでしょうか。自然との協調に喜びを感じますが、暑い夏はなすすべがなかった。ようやく、生き残った者たちで今があり。
そして、秋は、葉っぱの形やシードヘッドがますます魅力の対象になり、 それゆえ。
秋の庭が好き。それは景色もそうですが、気温だったりこれから冬に向かって落ち着いた雰囲気にメタモルフォーゼ。
逆に、春は「あーもうこれから大変だ!」夏の暑さも苦手だし
と言う気持ちでハラハラしてしまう。春も美しいピンク色の光にうっとりしますが、秋の光がまた格別。
秋の庭の情感。植物の風情・表情が、秋の空を反映した光の当たり方が。すべてが美しい..。
と感じるのは、目に見えるもの。
だけではなく、心に響いてくるものも、あるかと思います。
(写真は先週の、銀河庭園ドラゴン・ガーデン。シードヘッドのユーパトリウム)
以前のイギリスにおける、イングリッシュ・ガーデン(20世紀90年代まで)は、
9月下旬には閉鎖してしまうガーデンも多かったので、秋の庭を観光的な意味で見学公開
するような流れは、あまり、ありませんでした。
「花の庭」を見せるには9月以降、曇り空ばかりだったイギリスの気候では花を咲かすことは難しかった。
でも、今は違います。温暖化の影響で、気温も高め。10月11月に咲く花もあるし
ドライシードやグラスの美しさが際立つ季節。
シシングハーストもほぼ冬も公開。冬の庭を見せている。
それはそれで公開側も簡単ではないと思いますが。
紅葉の山々を鑑賞するのとは、また別の観点にて。
でも、今はとにかく秋の庭が面白い。.... と個人的には強く思っております。
さて、お知らせです。
NHK趣味の園芸 11月19日(日)放送 があります。
代々木公園で開催中の東京パークガーデンアワード のこと。
ナビゲーターの村雨さんと私とでご案内です。
また、11/19放送の「趣味の園芸」番組補完セミナーとして、
趣味の園芸オンラインセミナー「美しき"サステナブル"を求めて」
東京・代々木公園を舞台に今、ロングライフでサステナブルな新しいガーデンを作る試みが、コンテスト形式で行われていますが、ガーデンを制作した5組の入賞ガーデナーと、モデルガーデンをデザインした吉谷桂子がし、チャレンジの連続だった1年間を振り返るトークセッションがあります。それぞれのガーデンの目指したもの、成功と失敗で学んだこと、感動のシーンなど美しい植栽風景とともにウラ話も含めて。
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